多くの就活生は知らないディスクロージャー誌閲覧のススメ!!

ディスクロージャー誌とは

 
ポイント!
・ディスクロージャー誌は、誰でも閲覧可能
 (保険の契約者でなくてもOK!)
・ディスクロージャー誌には、企業の経営内容が記載

みなさま、ディスクロージャー誌はご存じでしょうか。ディスクロージャー誌とは、保険業法(第111条)によって保険会社に事業年度(4 月 1 日~ 3 月 31 日)ごとの作成が義務付けられている説明資料です。

(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第百十一条 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。

保険業法 (施行日:令和三年十一月二十二日)

公衆の縦覧に供しなければならない」と記載されているため、 ディスクロージャー誌は誰でも閲覧することができます。「 業務及び財産の状況に関する事項 」が記載されているとありますが、言い換えると「企業の経営内容」が記載されています。各社のディスクロージャー誌へのリンクが以下のサイトにまとまっていますので、以下から閲覧していただくのが良いと思います(もちろん「〇〇(会社名)ディスクロージャー」と検索してもすぐに閲覧できます)。
生命保険協会 会員会社のディスクロージャー誌
日本損害保険協会 損害保険会社の現状

ディスクロージャー誌の記載内容

 
ポイント!
・会社が今後どういう方針で経営するかがわかる
 (=活躍の舞台・場所が想定できる)
・新規開発商品の状況や保険商品一覧がわかる
・利益や保険料収入の規模感がわかる

そんな誰でも見られる企業の経営内容ですが、具体的に何が記載されているのでしょうか。各社が独自に公開内容を決定しているのではなく、多くの場合は開示基準に従って各社ディスクロージャーを作成しています。

「生命保険会社のディスクロージャー~虎の巻」より一部抜粋した開示基準を掲載します。全容を確認されたい方は、当該資料29ページをご覧ください。

Ⅰ 保険会社の概況及び組織

1沿革

2経営の組織

Ⅱ 保険会社の主要な業務の内容

1主要な業務の内容

2経営方針

Ⅲ 直近事業年度における事業の概況

1直近事業年度における事業の概況

7新規開発商品の状況

8保険商品一覧

9情報システムに関する状況

「生命保険会社のディスクロージャー~虎の巻」より一部抜粋

一瞥して多くの就活生に関心がありそうなのは、上記内容でしょうか。具体的に何が書かれているかについて、自分の理解を記載します(気になる箇所があれば、各社のディスクロージャーを見てみましょう!)。

  • 沿革
    主に会社の歴史が記載されている理解です。保険会社は過去合併を繰り返しており、調べると様々な保険会社が合併していたりします。2021年度もソニー生命とソニーライフウィズ生命が合併していましたね。
  • 経営の組織
    本社・営業組織や店舗所在地一覧が掲載されていると理解です。
  • 主要な業務の内容
    保険業務が主体なので目新しいことは書いていないことが多いと理解しています。
  • 経営方針
    各社の色が出る箇所だと理解しています。各社の方針のため、読んでおくべきだと思います。受験する会社はどのような方針で会社を運営しているのかは、アクチュアリー就活でなくとも押さえておきたいですね。
  • 直近事業年度における事業の概況
    利益や保険料収入など決算のデータがまとまっている箇所と理解しています。保険契約数の規模感を表す数値もここに記載されています。
  • 新規商品開発の情報
    直近に販売された商品の概要が記載されている理解です。各社の特色を理解するうえで押さえておきたいところですね。事前に知っていれば、直近の商品を作る際に苦労した経験などをインターンで社員に聞くことができると思います。
  • 保険商品一覧
    既発売の商品一覧表が掲載されている理解です。気になった商品があれば検索してみましょう!
  • 情報システムに関する状況
    社内独自のシステムなどが記載されている理解です。アクチュアリーが使用するような数理的なシステムが記載されていることはほとんどなく、主にお客さま向けのシステムに重点を置いて記載しているイメージです。

ディスクロージャー誌にはこんな情報も・・・?

 
ポイント!
・平均給与、社員構成、部署などもわかる!!

座談会やインターンで聞きにくい質問もあると思います。もしかするとディスクロージャー誌に参考できる数値が記載されているかもしれません。

みなさん一番気になるのは給与ではないでしょうか。将来的に年収1,000万円に到達することが分かっていても、入社1,2年後どの程度もらえるかは気になりますよね。

ディスクロージャー誌記載の給料はあくまで平均となり実態と異なる可能性が高いですが、一つの参考情報になります。

多くの会社で、平均月給(賞与・手当除く)が記載されていると思いますので、14~19か月をかけてざっくり年収換算してみましょう。計算結果が初任給を超えていればその程度の金額は数年でもらえるようになるかもしれませんね。

また、会社の組織図(部署)が記載されていることもあります。事前に部署を調べたうえでインターンなどで、アクチュアリーはどのような部署に配属されるのか、その部署ではどんな仕事ができるのかなどについて質問できるといいですね。

おわりに

今回は、ディスクロージャー誌について簡単に解説させていただきました。各保険会社が多くの時間と人を費やして作成している資料ですので、得られる情報は非常に多いです。早め早めに情報を集めて、より深い質問ができるといいですね!

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